放課後は君と2人で



気が付けば放課後になっていた。


今日もいつもどうりあたしは図書館に向かう。


少し大きなドアを開け奥へ進むと広くて大きな背中の蒼衣先輩を見つけた。


あたしが来たことに気付いていないのか下校していく生徒やランニングをしている生徒を楽しそうに見ている。



「蒼衣先輩…」


蒼衣先輩の背中に向かってそっと声をかけた。


「こんにちは」


あたしの声に気付き首を後ろに回してあたしに微笑みかけてくれた。


あたしより早く来て図書館のカギを開けて待っていてくれる蒼衣先輩ともう会うことが出来ないだなんて…


信じられない。



「始めようか」


「はい…」


『始めようか』


この言葉から仕事が始まる。


何気無く聞いていた言葉だったけど…
明日からその言葉が聞けないかも…と考えると、寂しい…




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