放課後は君と2人で



だって、この3冊の本を返したら…
もうここに来ることは無い。


だから今は、1分でも1秒でも長くここにいたい。



「でも、残りの本は全部秋元さんには届かないと思うよ?」


「でも…」


「後は俺がやるから……


お疲れ」


なんでかな?
…………胸がいたい。



「兄貴から聞いていると思うけど…
今日で片付けは終わりだから。今日までご苦労さん」


「………もう仕事って無いんですか?」


「無いよ」



あたしの胸は締め付けられているように痛くて痛くてしょうがないのに、
蒼衣先輩が顔色1つ変えないで『無い』と言った事で余計に痛い。


「…………これ片付けてきます」


「はいよ」



逃げ去るよう蒼衣先輩に背を向けて本棚に走り出した。


もう会えないと考えるだけで、涙が溢れてきそう。




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