放課後は君と2人で



1冊1冊、優しく本棚に戻した。


最後の1冊を本棚へ戻したら、
あたしの仕事は終わり。



「終わりました」


「ご苦労さん。

いつもより30分位早いけどどうする?」


「今日はもう帰ります。
福島先輩に“先に帰った”って伝えておいてください」


「了解。
それじゃ、気を付けて」


「………はい」



カバンを持ってドアに向かう。


このドアを開ければ全てが終わる。

前のような日常に戻るんだ。



「あの、また蒼衣先輩に会う事ってありますか?」


ドアを開けて出ようとしたとき、
とっさに振り向き蒼衣先輩に尋ねた。



「学年が違うから滅多に会うことは無いんじゃないかな?」


「そうですよね…」



福島先輩とだって校舎内にいると分かっていても会う機会なんてほとんど無かった。


蒼衣先輩も一緒なのに…
おかしな事を聞いてしまった。


「変なこと聞いてすいません。

それじゃ帰ります」




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