放課後は君と2人で
あたしは走った。
走って、走って…
後ろを一切振り向かずに学校が見えなくなるくらいまで走った。
学校が見えなくなった頃、スピードをゆっくり落とし歩き始めた。
「………自転車、置いてきちゃった」
後ろを振り返ってみたが、
やっぱり学校なんか見えない。
今さら戻る気がしない。
この先、あたしは昨日と同じ道を通って帰った。
蒼衣先輩と一緒に歩いた道。
蒼衣先輩と入ったお店。
昨日の事なのに、
やけに遠い過去のように感じる。
「ただいま」
「おかえり」
お母さんの声が聞こえたけど、そのまま部屋に直行。
部屋の真ん中にカバンを投げてベットに倒れた。
終わりがあるのは当たり前。
あたしはただの手伝い。
そんな当たり前のことを今まで忘れていた。