放課後は君と2人で




昨日、準備室を出たあと、あたしは下駄箱に背中を預けている福島先輩を見つけた。


「福島先輩!」


「夏帆、お疲れさま。
プリントは終わった?」


あたしを見つけると福島先輩はニッコリ笑ってくれた。


――― はぁ、かっこいい。


「プリントは明日の朝、提出する事になりました。
そして明日から“図書館の本の整理―――”を手伝う事になったんです」


2人で歩きながらあたしはさっきの出来事を福島先輩に教えた。


「うちの学校って図書館あったんだな」


「みたいですねー」


なーんだ。
福島先輩だって図書館がある事知らなかったんだ。
よかった、あたしだけじゃなくて。


「じゃあ明日からは図書館にいつもの時間に迎えに行くな」


「はい、楽しみにしています」


福島先輩は必ずあたしを家の前まで送ってくれる。
そしてあたしが家に入るまでしっかり見届けてくれる。


図書館にいたあの“蒼衣”って人とは大違い。





< 14 / 230 >

この作品をシェア

pagetop