放課後は君と2人で
昨日、準備室を出たあと、あたしは下駄箱に背中を預けている福島先輩を見つけた。
「福島先輩!」
「夏帆、お疲れさま。
プリントは終わった?」
あたしを見つけると福島先輩はニッコリ笑ってくれた。
――― はぁ、かっこいい。
「プリントは明日の朝、提出する事になりました。
そして明日から“図書館の本の整理―――”を手伝う事になったんです」
2人で歩きながらあたしはさっきの出来事を福島先輩に教えた。
「うちの学校って図書館あったんだな」
「みたいですねー」
なーんだ。
福島先輩だって図書館がある事知らなかったんだ。
よかった、あたしだけじゃなくて。
「じゃあ明日からは図書館にいつもの時間に迎えに行くな」
「はい、楽しみにしています」
福島先輩は必ずあたしを家の前まで送ってくれる。
そしてあたしが家に入るまでしっかり見届けてくれる。
図書館にいたあの“蒼衣”って人とは大違い。