放課後は君と2人で



「そうしたらね…
“わかんねぇの?”って言ってきたんだよ。

“わからない”

“分からないんだったら、もういい”

“どうして教えてくれないの?”

“だからもういいって言っているだろ”


あたしは分からなかったから聞いたのに…」


涙をイッパイ貯めて見上げてきて、


「あの時、藤は何を考えていたのかな?」


そう言ってあたしの胸に顔を埋めて泣き出した。


「藤の事、わかろうって思っても、いっつも失敗しちゃう。

もう藤に嫌われた…
藤と一緒にいられないよ…


………そんなのヤだぁー」



梓から如月さんが離れるはずなんて無いと思う。


本を買いに蒼衣先輩と平本先生と行った時に梓向けた如月さんの言葉を思い出した。


あんなにも想っているんだから如月さんが梓を嫌うはずなんて無い。




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