放課後は君と2人で



離れてから気が付いた。


…………違う。
離れる前からだったのかもしれない。


蒼衣先輩があたしの中でどんどん…どんどん…
大きくなっている。



ご飯を食べている時、
学校にいる時、
梓といる時、


福島先輩といる時…


あたしの全ての時間が、
蒼衣先輩になっている。



あんなに最初はムカついてキライな蒼衣先輩だったのに…


今はその蒼衣先輩が…



「ふじー」


さっき体勢を変え、あたしのヒザの上で寝ている梓が突然話し出した。


起きたのかな?と思ったけど…



「寝言か」


目はしっかり閉じていて、スースーと寝息が聞こえてきた。



「どうしてかな…」


どうして、どうして…


蒼衣先輩にこんな気持ちを持ってしまったのかな?


あの頃はあり得ないって思っていたのに…




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