放課後は君と2人で



うんうん。
如月さんは怒らないとは思う。


けど『ヤキモチ』は焼くと思うよ?


………いっくらあたしが女だって。


「ほら、もう次の授業始まるぞ」



ちょっと高そうな腕時計で時間を確認してくれた。


もう50分も終わりか…


短かったような…長かったような…
あいまいな気分。


けど、この50分であたしは大切な事に気が付いた。



『蒼衣先輩が好き』


この気持ちが分かっただけで大収穫だ。



「夏帆、行こっ」


「うん」



梓と並んで校舎に戻ろうとしたら…


「秋元ー」


平本先生に呼び止められた。



「真っ白にはなったか?」


「なりました」


「そっか、じゃあ頑張れな」



もしかして平本先生はあたしの気持ちにずっと気が付いていたのかな?


このドアから踏み出したってあたしの気持ちは変わらない。



『蒼衣先輩が好き』




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