放課後は君と2人で
キーンコーンカーンコーン
委員会の終了時刻を知らせるチャイムが鳴った。
「夏帆はこれから本の整理だね。
頑張って」
「頑張る……」
また、あの重い本を運ぶと考えると、気が重くなる。
梓は図書館の前まで一緒に付いてきた。
梓も図書館があった事を知らなかったせいか驚いていた。
やっぱり皆知らないんじゃん。
よかった。
「あっ、どうも……」
あたしたちが図書館の前にいると昨日の『蒼衣』って人が来た。
「秋元さんと……。
そちらの方は?」
「私の友達の月岡 梓(ツキオカ・アズサ)です」
「はじめまして」
「平本 蒼衣(ヒラモト・アオイ)です。
よろしく」
ちょ、ちょ、ちょっと待てー!
あたし昨日ちゃんと自己紹介したよね?
その時、あの人あたしに自分の名前言った?
…… 言ってない。
なんか、ムカつく。