放課後は君と2人で
普段ならもう食べ終わっている時間。
「図書館、使っていいよ」
「いいんですか?」
「その代わり、汚さない事。
せっかく秋元さんがキレイにしてくれたんだからね」
あたしの方に微笑みかけてくれたーー!!
蒼衣先輩はあたしとの時間を覚えていてくれた。
最後だった時、冷たく別れたから蒼衣先輩にはあたしとの時間は印象に残っていないと思っていた。
でも多少は残れた…
「夏帆がせっかくキレイにした図書館、汚したりなんかしません」
「それじゃ、また」
蒼衣先輩に会うのも久し振りなら、図書館に行くのも久し振り。
もう図書館に行く事は無いと思っていた。
「よかったね、お弁当持ってきて」
「だね。
蒼衣先輩は平本先生と似てやっぱり優しいね」
…………はい?
あの2人は似ているのか?
あの意地悪な平本先生に?
「蒼衣先輩の方が優しいと思う…」