放課後は君と2人で
蒼衣先輩の優しさは梓よりあたしが1番知っている。
一緒に帰った時、道路側を歩いてくれた。
あたしが届かない高い所は代わりに本を入れてくれた。
英単語も教えてくれた。
あの時は気付かなかったけど、今になって気付いた。
蒼衣先輩はいつも危なくないようにあたしを守ってくれていたんだ。
「………夏帆」
「何?」
「ずっと夏帆の友達だからね」
梓さん?
なんだか話がおかしな方に飛んでいませんか?
でも…
嬉しかった。
『ずっと友達』
はやい内に福島先輩への想いと蒼衣先輩への想いが話せそうな気がする。
いや。
この後話そう。
たぶん、今が話すタイミングなんだと思う。