放課後は君と2人で
桜が残る4月。
授業が始まりだしてすぐのこと。
名簿番号が1番なあたしは先生に頼まれ事を任された。
「秋元さん、放課後に国語準備室にプリント集めて持ってきてください」
平本先生に頼まれたプリントを届けるため、帰りが遅くなってしまった。
国語準備室…
国語準備室ってどこ?
クラス全員のプリントは無事に集まったけど…
届け先の国語準備室がどこかわからない。
まだ入学して数週間した経っていない。
入学後、1回先生に校舎内を案内してもらったけど…
覚えられるわけないじゃんっ!
地図の1つくらい作って貼っておけって感じ。
両手に何十枚ものプリントを持ち迷路のような校舎をグルグル歩き回っていた。
「どこにあるの~」
1人で歩き回っても一向にたどり着かない。
どんどん、日も傾き空がオレンジに移り変わってきた。
「早く帰りたいよー」
1年生のあたしが知っている先輩なんて居る訳もなく、
何人もの先輩とすれ違ったけど誰にも声を掛けられずにいた。