放課後は君と2人で



でも、そんな時に声を掛けてきてくれた優しい人がいた。



「さっきからどうしたの?」


「はぃ?」


あたしはもう半泣き状態。


その時あたしを助けてくれた先輩が窓から差し込んでくる光をバックにして『神様』のように見えた。



「さっきから何度もすれ違っていたけど…
君1年?」


「はい…」


あたしを見下ろすように見ていた先輩があたしが持っているプリントに視線を移した。


「これ、届けたいの?」


「はい…
でもどこに場所があるのか分からないんです」


「どこもっていくの?」


「国語準備室…」


「あー」


そう言ってニコッと笑ってくれた。


「俺もこれからも国語準備室にいくとこ。
一緒にいくか」


「いいんですか?」


「一緒に行って場所覚えるといいよ」


「しゅっぱーつ」と言って歩き出した。



あたしは遅れをとらないように先輩の背中にある小さなボールに集中した。




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