放課後は君と2人で



「なんだかイライラしているみたいだけど…… 何かあった?」


気付かれた!
あたしと梓が本を見ている間、蒼衣先輩は本を分けていてあたしたちを全く気にしていないような感じだった。


「別にイライラなんかしていません」


「ほら、怒っている」


どうして?
どうしてそんなにあたしを見抜くの?


「先輩には関係ありません」


「かもね。
けど月岡さんが気にしているみたいだからちゃんとフォローしていた方がいいと思うよ」


梓が、気にしていた?
そんなの……。


「気付かなかった?」


「まあね。
秋元さんはずっと何か違う方に意識がいっていたから気付かなかったんだよ」


「……」



あたしは言い返す事が出来ない。
だって先輩が言っている事は全部、全部――― 当たっているから。


「もう俺から話しは無いから早く月岡さんの所に行ってあげたら?」


あたしはただ梓に何か勘違いして欲しくなくて、急いで教室へ戻った。




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