放課後は君と2人で
さっきの涙はどこへいったのやら。
梓の顔には涙ひとつ見えない。
今見えるのはとっても嬉しそうに笑っている梓。
「夏帆ー」
「昨日ぶりだね」
「だね。
さっきはゴメンね。
ちょっと勘違いしていたみたいで…」
「いいよ、大丈夫。
けどあんな梓、始めてみた」
「藤の前だけだよ」
『藤の前だけだよ』か…
いいな、あたしも言ってみたい。
梓の幸せそうなあんな顔を引き出せるのは如月さんしかいない。
あたしにはムリだ。
「今日は3人でどうしたの?」
「平本先生と3人で本を買ってきたの」
あたしが欲しかった本は買ってもらえなかったけど。
「今はその帰りなんだ。
秋元さんが如月さんのホテルでお昼を食べたいって言うからここに来たんだ」
「そうだったんだ」
ご飯は美味しいし、とってもカッコいい梓の彼氏も見れたし最高!