放課後は君と2人で
「僕は学校近くにあるマンションから通っているんです。
月岡さんは今藤と暮らしているよね」
「夏休み中から藤と一緒です。
あたし、平本先生は蒼衣先輩と一緒に登校しているんだと思っていました。
仲のいい兄弟だと思ったから」
『仲のいい兄弟』
その時、ここにいる全員の視線が一気に梓に向いた。
梓はのんきにフォークに刺さしてあるイチゴをパクッと食べて「おいしっ♪」と言っている。
……………あたしたちの視線に全く気付いていないようだ。
「アズ、いつコウと蒼衣が兄弟だって知ったんだ?」
如月さんがあたしたち全員の変わりに聞いてくれた。
「いつって…知ったのは結構前だよ。
夏帆と初めて図書館に行った時に蒼衣先輩を紹介してもらった時はなんとなーく誰かに似ているなって思ったの」