放課後は君と2人で
梓は本当に気にしていないようだ。
「アズ…コウの事なんだけどさ」
「うん、平本先生の事は黙っている。
誰にも話さないから安心して。
その代わりなんですけど…
平本先生にお願いがあります」
梓が交換条件を出すだなんて珍しい。
あたしに『交換条件』を出した事だなんて1度も無いのに。
本当に珍しい。
「黙ってもらえるのなら…
一応何でも、聞きますけど。
……聞ける範囲で」
うわっ!
平本先生まで様子がおかしい。
素の顔がバレているというのに学校にいる時の顔して梓と話しているって事は…
「兄貴、相当緊張しているよ」
「ですね、梓相手に」
相手は高校生。
それも如月さんの彼女。
そんなに緊張しなくてもいいのに…
「平本先生へのお願いは…」
梓がゆっくり話始めた。
平本先生とあたしたちみんなの喉が鳴った。
「藤と、ずっとお友達であげてください」