放課後は君と2人で
見つかって怒られたくないあたしはそのまま蒼衣先輩の言葉に甘える事にした。
あたしたちしか居ない図書館には蒼衣先輩が文字を書く音が聞こえるだけで静かな時間が流れる。
隣にいる蒼衣先輩はさっきから数学の問題を解いている。
難しくてわからない。
あたしは一生懸命問題を解いている蒼衣先輩の顔を眺めていた。
睫毛長いな。
肌の色も白い…
「集中出来ないんですけど?」
「集中力が足りないんじゃないですか?」
蒼衣先輩はあたしがそんな事を言わないと思っていたのか
目を大きく見開きあたしを見ている。
けどフッと鼻で笑いノートと問題集をパタンと閉じた。
「秋元さんも結構言うようになったね」
「平本先生相手にはこれくらい言えなかったら勝てません」
「そうかもね」
先輩は1度大きく伸びをして背中をイスに預けてあたしの方を向いた。