私の運命、変えてみせます!
剣を構えてノワールと息を合わせて攻撃を仕掛けると、ゴブリン達は慌てて頭を地に伏せた。
拍子抜けた私達は顔を見合わせることしかできずに、ゴブリン達に近づいた。
「命だけは!どうか!」
「……あなた達、ここら辺を荒らしていたゴブリンじゃないの?」
「滅相もございません!古くからこの地を守るゴブリン族にございます」
話しが色々と違うが、動物達もゴブリン達に従えているようでその話しは間違いではないようだ。
「近くの村があなた達が村を荒らしてるって聞いたんだけど……」
「荒らしていたわけではなく、この地を整えるべく適度に木々を間伐しておりました」
なるほど……それを見て勘違いした村の人達が報告してしまったという訳か。
倒す相手でもないし、ここは争う場所でもない。
「ノワール、こういう場合は?」
『俺からギルドに報告しておきます。ただ、ここら辺を手入れする時は結界を張っておくようにした方がお互い害がなくなる』
「なるほど。という訳でゴブリンさん、私達この森を少し探検してもいいかしら?」
「ええ!好きなだけどうぞ!」
笑顔でそう答えられ、おまけに道案内までしてもらえるという冒険とは打って変わって観光になってしまった。
湖の畔で釣りをしてみたり、森で育つ実を採ってみたり、動物達と戯れてみたりと楽しみ方は様々だった。
いつの間にか心を許してもらえた精霊達とも一緒になって踊っていた。