私の運命、変えてみせます!
そんな楽しんでいる中、ノワールはひと足先にギルドに報告してくると街へと戻り一人、湖の大きな岩の上で寝転がって空を見上げる。
ゆっくりと流れる雲がまたしても心を冷静にしていく。
あー……楽しい。
でも、やっぱり私ここにずっといてはいけない気がする。
消えたいと願った私の願いの最終着点は、現実から逃げることではない。
自分を変えてみせることだ。
それが分かってる以上、ここにはもう長くいれない。
だってもう、私は今までの私にはない力を手に入れているんだから。
そっと目を閉じて風や岩を肌で感じては、自分の鼓動に耳を澄ませる。
生きている以上、困難なことや悲しいことに立ち向かうことは避けては通れない。
でもその壁があるからこそ、人は成長していけるんだ。
「変わったなあ……私」
なんだか少しだけ大人になったようなそんな気分に、一人小さく笑う。
『本当に……見違えましたよ、お嬢さん』
「えっ?」
驚いて目を開けて起き上がると私の横に寄り添うノワールが、優しい瞳で私を見つめて微笑んでいた。