私の運命、変えてみせます!


ギ、ギルドに行ったはずでは??


というか、なんでこんなに密着してくるんだ。


少しだけ距離を保とうと動き出すと、その動きを遮るようにノワールが私の腰に腕を回して動きを封じた。



『お嬢さんに会いたくて、一瞬で終わらせて帰ってきました』


「そ、それは……どうも」



なんと反応していいのか分からずに、口をもごもごさせながらそう答えるとノワールは嬉しそうに笑う。


私の頭に頬を擦り付けてきて、いつもらしくないノワールが私にくっついてくる。


ドキドキする心臓を抑えながら、私はただ呼吸をすることしかできない。



『お嬢さん。最初に言った願いは覚えてます?』


「……消えたいって願った」


『そう。そこからお嬢さんはどんどん素敵な人になって、今じゃキラキラした宝石みたいだ』


「……」


『そこからお嬢さんはここにもう少しいたいと願ってくれて、今がある。俺はもう……正直どうしていいのか、分かんないんです』



何の事を言っているのかサッパリな私に対して、ノワールはいつの間にか私を腕の中に収めた。







< 102 / 123 >

この作品をシェア

pagetop