私の運命、変えてみせます!
私という原石
* * * * *
何の変哲もない日々を過ごしながら、迷いに迷いながらようやく終わった卒論を手にしながら大学へと向かう。
長かった私の孤独との戦いも、もう少しで終わろうとしている。
向こうの世界から帰ってきて早もう半年、この世界へ帰ってきた私に待ち受けていたのは本当に存在が消えていたということだ。
友達にも家族にも、なんとなくの存在しか覚えておらず孤独になってしまった。
大学は何とか学籍や名簿が残っていて、なんとか単位も落とすことなく大学生を過ごすことができた。
どうしてこんな最悪すぎる結末で終わってしまったのだろうと考えるけれど、考えても現状は変わることはない。
そもそも解決方法が私には何も無い。
全て忘れるさと言っていた、あの人の言葉も嘘だったということになる。
でも一つだけ大きく変わったことがある。
「森田」
「先生私、守連です」
「あれ、そうだったか?えっと……守連、お前本当に後悔しないな?」
「はい、大丈夫です。色々お世話になりました」
キッパリと自分の意見を伝え、自分を信じて卒論を提出するとのしかかっていたもの全てが解放されていくように肩の力が抜ける。
卒論だけ出してここを卒業する、それだけで私にとっては意味のあることだからそれでいい。
失礼しますと言って部屋を出ると、自然と足取りは軽く達成感がじわじわとやってきた。