私の運命、変えてみせます!


大学を後にして、今日の午後からのバイトに迎えば現実的なバトルの始まりだ。


急遽後輩がバイトに行けないという連絡が入り、少ない人数で仕事をこなしていく。


無断欠席だけしなかったのを許してやろうと思うものの、仕事の多さにはため息ばかりだ。


お客さんに文句を言われ、反撃したいのをぐっと堪えつつ冷静に対応する。


あれやこれやと頭と体を動かし、失敗した後輩をフォローしつつ、延長の連続でバイトが終わる時間は23時を回っていた。



「お疲れ様でした〜……お先に失礼します」



店長に挨拶をして、疲れた体を引きずるように自分のアパートへと向かう。


冷たい外の空気が肌に刺さるのを我慢しながら、いそいそと足を動かす。


この冷たい空気を肌で感じると元彼とのあのやり取りと、彼との出会いを思い出す。


会いたいという気持ちばかりは募っていくばかり。


ふとした瞬間に泣きそうになるくらいに、彼を感じたい欲求に包まれる。


……どうしてこの願いは届かなくて、会いに来てくれないんだろう。


おかしなあの人の事だから、あの時も気まぐれで願いを叶えてくれたのかな。






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