私の運命、変えてみせます!
少しだけ冷たいけど心地よい風が吹き抜けていって、懐かしいあの感覚が優しく頬を撫でていく。
宿で飲んだあの紅茶の香りと、ドラゴン達の慌ただしく飛び立っていく風の音。
ゆっくりと目を開ければ懐かしいあの景色が私の目に飛び込んできて、小さく声を漏らした。
起き上がりたいのに、上手く体に力が入らなくて宿屋のベッドで寝たままの状態で周りを見渡した。
ああ……疲れた上に彼に会いたいと願ったから夢にまでここを見ることになるとは。
嬉しいけれど、目が覚めたらまた現実に戻らなければいけないと思うと少し寂しくも思う。
階段を登る足音が聞こえてきて、私は思わず狸寝入りをしてしまう。
ガチャリと静かに部屋の扉を開けて、中に入ってくる誰かの足音。
ゆっくりとこちらに近づいてくる気配を感じながら、私はドキドキする心臓を必死に抑える。
そっと誰かが髪を撫でるその感覚に、何故か泣きそうになる。
お願い、この時間を永遠にしてほしい。
そう強く願っていると、耳元に吐息がかかる。