私の運命、変えてみせます!
ピクリと反応してしまうけど、狸寝入りをしてしまっている以上動けない。
そっと頬を撫でられながら、耳元で優しく囁かれる。
『……また後で』
その一言だけ囁くと声の主は私から離れていき、再び扉が閉まる音だけが耳に残った。
いかないでそう伝えたかったのに、伝えられなかった。
ずっと傍にいて、これで最後の願いするって誓うから。
急いで呼び止めるために起き上がろうとしても体に力が入ることもなくて、おまけに閉じた目も開くこともできなかった。
夢ならばまたここに来てくれるのだったら、もう夢の中にずっとずっといたい。
そんなことできるわけもなくて、現実の世界の私の体が何かに反応する。
優しい光に包まれている感覚が一気に消え、寒さが体を襲っていた。
はっと思って意識を覚醒させると、今度こそ体は自由に動く。
目が熱いと思って触れてみれば、微かに涙を流していた。
鼻を啜りながら時計を見れば、朝方5時を回る頃。
カーテンも閉めずにそのまま寝落ちしていたせいで、眩しい朝日が入り込んできていた。