私の運命、変えてみせます!


重たい体でゆっくりと起き上がり、眩しい朝日を見つめた。


また現実に戻ってきてしまったという実感と、悲しさでぼーっとすることしかできない。


また後でなんて、一体いつになるんだろう。


悲観的に考えたくはないのに、彼の温もりを感じたくてどうしようもなくなる。



「ノワール……」



そっと彼の名前を呼んでも、返事なんか返ってくることもない、






のに。





『何泣いてるんですか、お嬢さん』





ぼーっとしていた頭をすぐさま働かせて横へと振り向けば、鼻と鼻がぶつかりそうな近い距離にノワールがいた。


初めて会ったあの時と同じで、でも不思議と驚きよりも安心感が強くて目が熱くなる。


楽しそうに笑うノワールは前にあった時と変わらなくて、それが嬉しくて私は思わずノワールに抱きついた。


どうしてここにいるんだろう、これももしかしたら夢なのかもしれない。


そんな感情がぐるぐると回るけど、しっかりと感じるノワールの温もりに胸がドキドキとうるさい。







< 114 / 123 >

この作品をシェア

pagetop