私の運命、変えてみせます!
吸い込まれそうになるその瞳をじっと見つめると、ノワールの瞳がキラリと一つ瞬いたような気がした。
『実は俺とお嬢さんの間にはキッチリとした契約は結ばれてなくて、こちらのミスで収入源も回収できていない状態なんです』
どこかおかしく笑うノワールに、私はノワールの頬をそっと撫でた。
肌のしっとりとした感覚は手のひらいっぱいに伝わっていく。
『俺があまりにも張り切りすぎて、契約する前にお嬢さんの心を変えてしまったから収入源も頂戴できなかったんですよね』
「だから無理やり私を帰したの?あんなお別れの仕方嫌だったのに」
仕事のためだけに私のことを考えていたというのは、少し、いやかなり寂しいことだ。
しゅんとする私をなぜかノワールは頬を赤くして、再び私を抱きしめた。
『すみませんお嬢さん。あの時、俺……嘘をつきました』
「え……」
『契約切れはそもそも契約してなかったので、無理やり帰す必要もなかったんです』
「じゃあ、なんで?」
ぎゅっと力を込めてくるノワールは、どこかいつもと様子が違う。
そのせいなんだろうか、余裕のないノワールを見るとついつい苛めたくなる。
『お嬢さんを担当するように上から言われて、お嬢さんにあった時……こんな綺麗な原石を手放したくないって思いました』
思わぬ言葉に目を丸くして、ノワールの表情を確認したくて胸の中から逃げようとしたけど力には負けてしまう。