私の運命、変えてみせます!
「ねえ、ノワール」
そっと私からノワールにキスをして、驚いた彼に向かって願いを、本当の想いを伝える。
「私、あなたとずっと一緒に居たい。このお願い叶えてくれる?」
『……全く、お嬢さんには本当に敵わない』
愛おしそうに見つめるその瞳に映るのは、紛れもなく私。
あの日、全てを投げ出して消えたいと願ったあの時から私は変わるための勇気と、自信を彼からもらった。
そして、かけがえのない大切な存在を見つけた。
あんなネガティブで自分が嫌いで、好きな物すらも我慢して生きていたのに。
それが嘘みたいに無くなって、私は私を取り戻した。
この先ずっと、自分を好きになるためにもっともっとたくさんの努力を続けていこう。
輝く私の未来のために、私を好いてくれるこの人のために。
『この世界でやり残している事はありませんか?』
「うん、大丈夫」
『じゃあ、これから結ぶ契約は途中で変更不可ですからね』
「分かってるし、変更する気もないわよ」
『ならーーもう離しませんから』
優しいキスをしてそっと抱き抱えられると、ノワールが何か唱えると勝手に窓が開いた。
朝焼け空の下、吹き抜けていく風が見送りに来るようにそっと舞う。