私の運命、変えてみせます!
上品な灰色を
ノワールに引かれるまま歩き続け、細い細い道から抜けると大きな広場へとたどり着いた。
人で賑わうその場所は、ノワールのように目元を仮面で隠す人、見たこともない髪と瞳を持つ人、獣耳と呼ばれるような耳を持つ……人?
本当にここはノワールが言うように、私がいた世界ではないようだ。
広場のシンボルと言える噴水が水しぶきを上げ、キラキラと輝いている。
この広場を中心にして、放射状に伸びる道に沿って赤煉瓦造りの建物が続いている。
賑やかな露天が続く道、ゆったりとした宿屋のような建物が並ぶ道と、その道それぞれの特徴がどうやらあるようだ。
周りをキョロキョロと見渡しながら歩いていると、前を歩くノワールが笑いながら見てきた。
『何か面白いものでもあるかい?』
「……面白いっていうか、初めて見るものばかりだから」
子供のような興味関心が強いことがバレてしまったと、なるべくノワールに顔を見せないようにそっぽを向いた。
そんな私のことをお見通しなのか、ノワールは鼻歌を歌いながら握る手の力を強めた。