私の運命、変えてみせます!


「ノ、ノワール?!私、お、重いからっ」


抵抗した所で、ここは空中だ。

ぱっと下ろされ、いや落とされる可能性があるためそこまで強い抵抗できない。

それでも、この状況は耐え難いものがある。

どうにか説得しようと言葉を考えていると、ノワールの視線を感じる。


『お嬢さん』


真剣な声で、真剣な眼差しで私に向き合っているノワールに、考えていたものが全て止まった。


『俺はお嬢さんが消えたいと願ったから、ここへ連れてきた。そうした事でお嬢さんが元いた世界からは、もうお嬢さんの存在は消えている。でもお嬢さんはここで、俺の目の前に存在する。存在することは、価値ある事だ』


ノワールの言葉一つひとつが私の耳にこだましては、包み込む。

肩に回された腕から感じるノワールの熱が、じんわりと私に伝わってくる。



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