私の運命、変えてみせます!
苦笑いを浮かべながらも、本音を吐き出すとノワールが私を抱きしめる力を強めて、あのにんまりとした笑みを浮かべた。
『何でも屋のこの俺に、出来ない事はございませんよ』
「……本当に叶う?」
『もちろん』
「じゃあ、お願い。私、あいつにギャフンと言わせたい!!」
『仰せのままに、お嬢さん。それじゃあ、とびきりの魔法かけてあげるよ』
「痛いとか、そういうのは嫌よ?」
『あはは、大丈夫。君自体が魔法の塊なんだからね』
ノワールのその答えに首を傾げると、どこか嬉しそうに肩を竦めた。
そっと吹く風にはっとして、首を横へ動かす。
いつの間にか空中へ浮かんでいるという恐怖心は消え、広がるその景色にため息を漏らした。
「綺麗……」
どこまでも続く青空の下に広がるのは、自然と共に暮らしつつも魔法が進歩した国。
赤煉瓦の建物がズラリと並ぶ奥には、大きくそびえ立つ真っ白な城が見えた。