私の運命、変えてみせます!
泣きたい、苦しい、ごめんなさい、情けない、意味がわからない。
一気に押し寄せてくる感情の波に押しつぶされて、今はただその場でじっとしていることしかできなかった。
冷たい雪が髪にそっと降り積もり、手足の感覚が冷たいではなく痛いに変わっていく。
――いっそこのまま消えてしまえば、全て終わるのに。
そんな、馬鹿馬鹿しい考えがふと頭を過ぎる。
さっきまで押し寄せてきていた感情の波が、ピタリと止まり“消えたい”という願望だけが強く残る。
どうやって消えてやろう、どこで消えてやろう、と考える方向が完璧に斜めに上に向かっていってしまう。
どうせ必要とされていない女が消えた所で、あいつは私のことなんて何も思わない。
そう、もう私は好きに動けばいい。
彼が好きだといったロングヘアも、落ち着いた地味なマニキュアも必要ない。
ショートカットにして、ド派手の真っ赤なマニキュアで、私がお気に入りの彼が似合わないと言ったグレーのワンピースを着て消えてやる。
私はもう、必要ないんだから――
拳にぎゅっと力を入れて、堪えていたものを吐き出そうとしたその時だった。
『おやおや?これまた随分とまあ、もの変わりしたお嬢さんだ』
聞き覚えのない声が、頭の上から聞こえてくる。