私の運命、変えてみせます!
柔らかいショートヘア
肩で息をしながらフラフラと歩く私を、必死に笑いを堪えて横で歩くノワールを睨んでやりたいがその元気は私にはない。
というか、奪われたと言ってもいい。
空中散歩が終わり、ノワールのお気に入りの食堂へと向かったがジェットコースターを何十分も乗った状態に近い状態で、目の前に美味しそうな物が並べられても食欲が湧いてこなかった。
デザートのプリンのような甘い味のする、りんごみたいな果物を一人ちびりちびりと頬張る中、ノワールは肉料理を堪能していた。
そのまま酔いに近い何かが収まる頃に食堂を後にして、またノワールと共にフラフラになりながらも歩く。
まったく……あの男は一体何を考えているんだか、本当に読めない。
自分が楽しみたいがだけに、私を振り回しているなら一発蹴りを入れたい所だ。
落ち着いた雰囲気のある通りの隅っこで、その雰囲気を壊すように私はノワールに変な念を込める。
『お嬢さん?』
その念が伝わったのか、どこか心配そうな声で私の顔を覗き込むノワールに一発頭突きを食らわしたが、ヘロヘロな私の攻撃はダメージ0と言ったところか。
向こうはよろけた拍子にぶつかったとでしか思っていないようだ。
「んもー……なんであんたそんなに元気なのよ……」
『慣れてるから』
ごもっともな答えに、返す言葉もない。
ため息を漏らしていると、そっと背中を摩る感覚に横を見た。