私の運命、変えてみせます!
せっせと背中を摩るノワールは、どこか必死だ。
もしかしたら念が届いたのかもしれないと、小さく笑うとノワールは苦笑した。
『ちょっとやり過ぎたって反省してる。ごめん』
「だったら次はドラゴンに乗りたい」
『ドラゴンって操作するの大変なの知ってる?』
「知るわけないでしょ」
そんな街の文化ですら知らない私が、ドラゴンの扱い方など知るわけない。
ドラゴンには乗ることは出来なさそうだと残念に思いつつも、空の旅はもうしなくていいことを意味し少し気が楽になる。
そのままノワールに支えられながら、向かったのは私の世界で言う美容室。
彼のために伸ばしてきた髪はもういらないと、ノワールに伝えるとバッサリ切ってしまおうということになった。
洒落た店が並ぶのは、世界が変わっても同じなようだ。
明らか露店が並んでいた場所とは違い、建物自体がお洒落なデザインが特徴的だ。
城との距離も近いらしく、行き交う人はどこか上品さがある。