私の運命、変えてみせます!


どうしたものか、ノワールはしばらく私を見つめたまま動きを止めてしまった。


「ノ、ノワール……?」


恐る恐る声をかけるとはっとしたようにノワールは、行きましょうと声をかけ再び歩き出す。

変なノワール……って、元々この人おかしいんだった。

すると、くつくつと小さく笑い出すノワールにやっぱりおかしい奴だと確信する。


「何?私って、そんなにおかしな顔してる?」


嫌味を込めて言うと、首を横に振られる。

何を考えているか本当に分からない奴だ。


『少し嬉しくなっちゃってね。ついだよ、つい』

「私をヘロヘロにさせたのが?」

『まさか。お嬢さんみたいな綺麗な人が、俺の隣で歩いているのが嬉しかっただけ』

「へ?」


思いもよらない言葉に漏れた言葉は、あまりにも馬鹿丸出しだ。

今更口を塞いだ所で、発した言葉が消えるわけでもない。

マヌケな私に対して、またしてもノワールが笑い出す。


『お嬢さん、胸張って歩いていいよ。君は充分綺麗なんだから』


真っ直ぐなその言葉を素直に受け止められることができず、くすぐったさが全身に伝った。



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