私の運命、変えてみせます!


この人もしかしてこうやって女の人口説くの得意なんじゃないかと、半ば疑いつつも小さくありがとうと呟いた。

恥ずかしい気持ちが強すぎて、ノワールとは反対方向を見て必死に誤魔化す。


『お嬢さん……耳真っ赤』


ふいに吐息混じりに耳元で囁かれ、小さく悲鳴を上げた。

思わずノワールの腕から手を離して耳を隠した。


「ちょ、ちょっと!そうやってからかうの止めてくれない?!私、こういうの……な、慣れてないんだから……」


強気でかかろうとしたのに、最後は力なく小声になってしまった。

調子が狂う、私こんなことで感情が高ぶるなんて。

そもそもこんな事をされたことなかったから免疫がない。

笑うノワールを睨みたくても、恥ずかしさが勝ってどこかに埋まりたい気分だ。

するとまた腕を差し出されたかと思えば、距離を詰めてきた。


『暗い顔しないで。君の笑顔が、俺の力になるんだからさ』


ね?と言いつつ首を傾げるノワールの声が、あまりにも優しくて全身を痺れさせた。



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