私の運命、変えてみせます!
するとまたしても向こうから顔を覗きこませてくるが、その前にノワールが阻んだ。
その動きに男は唸りながらも、ノワールの肩を叩いた。
「いやあ〜あまりにも綺麗だったからついね、つい!」
『そんなことしてるから、お客さんが寄り付かないんだろうが』
「失礼な!今日もお店は大繁盛だよ?予約も1年先までびっしり」
『だからと言って、綺麗な髪の人を見たら老若男女問わず抱きつくの止めろ。気色悪い』
どストレートなノワールの言葉だが、男は楽しそうに笑っている。
ノワールが呆れつつもため息をついて、振り返って私を見た。
『お嬢さん大丈夫?悪い菌ついてない?俺が後で徹底的に除菌するから』
「こら!人をバイ菌扱いしない!!」
『お嬢さんに危害加えたらタダじゃおかないからな』
またもや始まりそうな二人の言い合いにストップをかけるように、恐る恐る声をかける。
「あ、あの……この人は?」
そう言うとノワールという壁を乗り越えて、男が私の隣にやって来た。