私の運命、変えてみせます!


シェーレさんは先程までのことがなかったかのように、ガラス窓が特徴的な建物へと案内していく。

どうやらここが仕事場らしく足取りは軽い。

ノワール同様、ふわりと宙に浮くと屋根の上へと上がってしまった。


「シェーレさんとはどういう関係なの?」

『腐れ縁ってやつ……なのかな』

「……なるほど」

『さて。ここは入口が屋上なんだ。嫌かもしれないけど、すぐそこだから我慢してもらえるかい?』


そう言われると少し体に力が入るが強く頷き、されるがままにノワールと共に宙へ浮く。

上へと辿り着くと、大きな水晶玉が中央で青白く光輝きながら浮かび上がっていた。

その水晶玉の下には円が描かれ幾何学的模様が施されている。

見たこともない後継に圧倒されつつ、周りを見渡してもシェーレさんの姿はどこにもない。


「シェーレさんどこに行ったの?確かに上に行ったはずなのに……」

『店の中で準備して待ってるはずだ。俺達も行きましょう』


行くと言われても、入口らしき扉はどこにも見当たらない。

首を傾げているとノワールに手招きされて、水晶玉へと近づいた。





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