私の運命、変えてみせます!


身長を優に超えるその水晶玉に圧倒されつつも、ゆっくりと水晶玉の前へとやって来る。

ノワールの隣へ行けば、ノワールがそっと水晶玉に手を指し伸ばした。

穏やかに輝いていた水晶玉が、突如上へと動き出したかと思えば、下に描かれていた円が大きくなっていく。

その円の中に足が入ったと思った瞬間、一気に視界が白くなった。


「なっ?!」


驚きの声をあげたが、すぐに視界は元通りになり――


「いらっしゃいませ。ようこそ、シェーレのグランデイヤーへ」


先程までのほのぼのとした口調とは打って変わったシェーレさんの声にドキリとしつつ、胸に手を当ててお辞儀をされ思わず礼を返してしまう。

うまい具合にエスコートされてたどり着いた先は、180度街が見渡せる展望台のような空間。

そこに並べてある椅子に座るように言われ、景色にうっとりしながら席へ着いた。

本当にここは美容室なのだろうか。

私の住む世界とは違いすぎて検討もつかない。




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