私の運命、変えてみせます!
『この世界では、髪を切ってパダデーゼという花冠を髪を切った女性に与えるという習わしみたいなのがあってね。花を貰った女性は髪と共に祝福されて、幸せになれるとされてるんだ』
花冠を優しく撫でるノワールの説明を聞いて、少し頬が熱くなるのが分かる。
この世界は物凄く女性に対して優しすぎる。
似合う似合わない云々ではなく、髪を幸せを願うなんてなんて人がいいんだろうか。
あの女の子に感謝しつつ、髪を綺麗に保とうと心の中で強く誓った。
『やっぱりお嬢さんは魅力の塊だ』
「そんなお世辞言ったところで何も出ないから。そういや、今までどこに行ってたの?」
このままノワールのペースに飲まれると自爆しそうな気しかしなかったため、無理やり話題を変える。
すると申し訳なさそうに頭を下げると、ローブの中から何か取り出した。
取り出したのは小さなルビーのような石が輝くネックレスだった。
背後に回ってそのネックレスをそっと私に付け正面に戻ると、満足したように何度も私の首元を見ては頷いた。