私の運命、変えてみせます!
突然のことに固まることしか出来ない状態だったが、ノワールの満足そうな顔に思わず笑いがこみ上げた。
「娘の身なりを気にする母親みたい」
『えっ、あ……そんな風に思われるとは、失態だ』
「これ、どうしたの?」
『首元が、寂しいかなとか思って。自分的に気に入ったのだけど、お気に召さない?』
そう聞かれても、まじまじと見れるものではないが小さく笑って首を横に降った。
ノワールが選んでくれたというのなら、似合わないものを選ぶことはない。
ありがとうと伝えると、ノワールはスッと私の横を通り抜けて行く。
その後を追いかけるように駆け寄ると、何故かノワールは私を見ようとはしなかった。
変なのと思いながらも、今度は私から顔を覗き込んでやった。
だがまたしても顔を合わせてはくれなくて、小さく肩を落とした。
何かしてしまったのか、不快な気持ちにさせてしまったのかとモヤモヤを抱えながら、少し距離を取りながら歩く。