私の運命、変えてみせます!
いざ、戦いへ
飛んでいる感覚が一瞬変わった、そう思ってきつく閉じていた目を開けると、見慣れた景色が私の目に飛び込んできた。
行き交う人々に、空気を汚していく渋滞している車に、空を遮る高層ビル。
流れる時の速さが向こうの世界とは少し違う、私の生まれた世界。
これが本来の私の住むべき場所。
少し前までここで泣き崩れそうになっていたというのに、戻ってきてみればその出来事が馬鹿馬鹿しく感じてしまう。
『お嬢さんが戦いたいと願う相手の居場所は、もうこちらで情報は得ています。もう、このまま強行突破します?』
「……そうね。躊躇いなんて何もないから行っちゃいましょ」
了解とノワールがそう言うと、再び空を駆けるように飛び始めた。
いよいよ、なんだ。
好きだった人はもう、私を見ていない。
でもその見ていた私はもう、どこにもいない。
風を切って進む私の胸の中には不安や恐怖はない。
あまりにも自分に自信がなかったから見てもらえなくなったのかもしれない。
自分磨きを怠ったわけでもなんでもないけれど、頑張っても認めてもらえなくてそれが私を苦しめた。
でも今は違う。