私の運命、変えてみせます!
聞こえてくるノワールの心音に、私の少し早い心音が重なって一つの小さな音楽を奏でている。
落ち着くその音に自然と安心して体の力が抜けていくようだった。
私が離れないものだから、諦めたノワールはそっと私を抱きしめてくれた。
暖かい、こんなにも暖かい。
そうか……私は消えたいと願っても死んではいないんだ。
こうやってノワールにも、私の温もりは伝わっていっているのか。
『よく頑張ったよ、お嬢さん』
そっと頭を撫でるノワールがあまりにも優しくて、そんな彼に甘えてはいけないと分かっているのに目がどんどんと熱くなる。
泣いちゃダメ、泣いたら負けだ。
そう自分に言い聞かせるけれど、いいんですよとノワールが小さく呟いた途端何かが弾けた。
子供のように大きな声で泣き叫び、大粒の涙を流した。
「今までっ、私、あの人のためにって、なのに、なんで私があんな、のに負けなきゃ、いけないのかわかんなっいよ!泣きたくないのっに!」
嗚咽混じりなる中で胸が軽くなったというのに、ドロドロとしたものが口から漏れていく。