私の運命、変えてみせます!
硬い鱗が足に当たるけど、痛くはないしむしろ冷たくて気持ちがいい。
ドラゴンも私達に対して嫌がるわけでもなく、背中を提供してくれた。
『お嬢さん』
「なに?」
『誰にどう思われようがお嬢さんは素敵な人ですから』
あ……もしやノワール、私が所長さんに変に思われたなんて考える時間を与えないようにして……?
嬉しさとありがたさを感じていると、ドラゴンはゆっくりと翼を広げた。
『しっかり捕まっててくださいね、俺ドラゴン扱うの初めてなんで』
そうだ、ノワールも初心者ってことはもしかして空の旅荒れたりしたりする??
もしかして間違った要望を言ってしまったのではないかと思うのは、もう遅いこと。
ドラゴンは嬉しそうに伸びながら、ゆっくりと宙へと体を浮かせ始めた。
ノワールが手綱をしっかりと握りしめたと同時に、ドラゴンは高度を一気に上げていく。
勇気を振り絞って下を見ればグレイアさんが私達に向かって、手を振っていた。
「ノワール!お願いだからゆっくりでーー」
『さあ!空の旅へ行っきましょー!!!』
楽しそうにそう言うノワールに私は、悲鳴を上げながら抱きつくことしかできなかった。