私の運命、変えてみせます!
嘘つきな私達
それからというもの、私はやりたいことを見つけては挑戦をして失敗をして笑いに変える日々を送っていた。
ダンジョン攻略はできないと言われたけれど、毎日の積み重ねで一人でスライムを簡単に倒せるようにもなった。
ドラゴンもノワールの操縦でもふらふらになることもなくなったし、小さなドラゴンなら1人でも操縦できるようになるまで成長した。
街の人からも顔と名前を覚えてもらえて、すっかり街の住人に馴染んでいった。
文字の読み書きも一通りできるようになったおかげで、本も読めるようになった。
こうして私は、この世界で一人で暮らしていけるような知識と技術を身につけていった。
『お嬢さーん!今日は東の森での討伐はどうですか?ギルドの方から紹介状も貰ってきたので、色々と探査できますよ』
ノワールも私がすっかりこの世界に慣れてしまったものだから、危ないことにもほんの少しだけ許可を出すようになった。
嬉しいことなのか、少し寂しいことなのか正直微妙な所だけど、私をこの世界に馴染ませてくれたのはノワールだから文句は言えない。
「いいわ!行く!!」
揃えた冒険グッズも今じゃ必需品になっていて、私の本当のここにいる目的が分からなくなっていた。
多分この世界に来て1ヶ月ぐらいは生活してしまっている気がする。
カレンダーなんてものはこの世界にはないものだから、自分の時間の感覚だけが頼りだ。
宿の階段を駆け下りながらも、元の世界に戻らなきゃいけないという感情に包まれる。
帰りたくないのに、でも私の居場所はここじゃないと自分と自分が喧嘩している。