私の運命、変えてみせます!
そんな想いと風を切って辿り着いた東の森は、豊かな自然で満ち溢れた素敵な場所だった。
湖を囲むようにして大小様々な木々が鬱蒼と生い茂っては、その場所を守っていた。
条件が揃ったこの場所は、どうやら動物達の住処にもなっているらしい。
でもこんな森に厄介者のモンスターである、ゴブリンがこの地を荒らしているという近くの村からの報告があった。
今日はそのゴブリンの討伐……ということらしいが、荒らされているような目立った形跡はない。
「湖の畔の方なのかな……」
『もう少し奥に進んでみましょうか』
ノワールから離れないようにして歩いていくと、透き通った水面を波打たせながら水を蓄えている湖が現れた。
風と水の精霊達が私達の姿を見つけると、どこかへ飛んでいってしまう。
どうやら警戒されているのは、私もということらしい。
辺りを見渡しても、ゴブリンらしき姿は見つけられず諦めて休憩しようと腰を下ろしたその時だった。
どこからか地響きが聞こえ、慌てて構えるとこちらに向かって突進してくる群れ。
ノワールが魔法で跳ね返しの結界を張ると、見事に突進してきた群れが一気に崩れた。
よくよく見れば突進してきたのは猪で、それを器用に操縦していたのはお目当てのゴブリンだった。