雨上がり、空を見上げた。
幸せな日々は続いた。
君と過ごした
ハロウィンも、
クリスマスも、
お正月も、
バレンタインも、
ホワイトデーも、
そうじゃない普通の日も。
どんな時も特別だった。
だけど代償を払いすぎたのか、身体が悲鳴をあげていたことも分かっていた。
丁度、ホワイトデーが終わった頃。
発作の頻度が増えた。
咳込むと吐血するようになった。
やがて食欲すらなくなってしまった。
4月。
親友の石原に俺の悪い噂を学校中に流させた。
石原には反対されたけれど、嘘の噂でもいい。
君が俺の事を嫌いになるようにした。
その頃から望んでいない言い合いの日々がはじまった。
その度に必ず他にもいいやつがいるだろと言うようにしていた。
虹花を幸せにしたいけど俺にはもう時間がなかったんだ。
だからごめん。
自分勝手な俺の事はもう忘れて幸せに生きていてほしいと心から思った。
大好きな虹花に別れを告げた。
すると君は泣きもせず、
何かを悟ったように頷いたんだ。