エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
──体が少し痛い。こんなに熱く抱かれたのは、初めてだからかな……。

汗が引き始め、私はボーっとしたまま先生の腕の中で甘い夜の余韻に浸っていた。

キラキラ輝く夜景も素敵だけれど、今は先生しか見えない……。

「久美、なにか飲む?」

私の髪を撫でていた先生が、ふとそう言った。大きく肩で息をしていた彼も、すっかり落ち着いている。

「はい。いただいて、いいですか?」

そういわれてみれば、喉が渇いたな。心なしか、喉も痛いし……と思うと、照れくささが込み上げる。

私、本当に先生と……。ゆっくりと起き上がると、先生が私の額にキスを落とした。

「きみは、ここで待ってて」

「はい……」

優しく微笑んだ彼は、シャツを羽織りベッドを降りる。そのスマートな仕草に惚れ惚れしながら、私も服を取るとそれを着た。

ほどなくして、キッチンから戻ってきた先生が手にしていたものは、タチバナ飲料のジュースだった。
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