エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
フルーツミックスのもので、新商品。そのパックを二つ持ってきた先生は、一つを私に差し出した。

「ありがとうございます……。先生、気を遣ってくださっていますか?」

私の手前、タチバナ飲料の商品を飲まないといけないと思われていたら、とても申し訳ない。

私だって、他社製品のものを飲むときだってある。そう思っていると、先生はクスッと笑った。

「違うよ。これは、俺が気に入ってるから。甘くて美味しいよな」

先生はストローを差し、それを飲み始めた。気を遣ってないならいい。

安心しながら私もジュースを飲んでいると、ふふっと笑ってしまった。

「先生のストロー姿って、やっぱり可愛いですよね。絵になってます」

と言うと、先生はどこか照れくさそうに軽く私を睨んだ。

「可愛いのに、絵になるのか?」

“可愛い”が、NGワードだと気がついたけれど、私はそれでも先生に笑みを向ける。

「プチ甘な感じなんです。可愛いけど、セクシーなような……」

言葉で言いづらいけれど、先生の甘さとクールさがミックスされている、そんな雰囲気がある。

すると、私からジュースを取り上げた先生が、不意に唇を塞いだ。
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