エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「ん……。せ、先生」

弾みでベッドに倒れてしまう。先生は、そんな私にさらにキスを重ねてきた。フルーツジュースを飲んだせいか、彼のキスが甘い……。

数回キスを繰り返したあと、先生が唇を離して言った。

「可愛いって褒め言葉は、あまり嬉しくないな」

「す、すみません……。そうですよね」

男の人に使う言葉じゃなかったと、反省する。先生に不愉快な思いをさせちゃった……。

「それから、プチ甘っていうのも、不本意だな」

「え?」

意味が理解できない私に、先生は再び唇を塞いだ。それも、かなり激しく……。

「んん……。先生……」

息もできないくらいに濃厚なキスとともに、彼の大きな手が私の体を這っていき、甘い声が漏れる。

医師としての先生とは違う、プライベートでの彼の顔は胸がときめいて静まることを知らない。

先生が、こんなに甘い雰囲気の人だったなんて……。首筋に胸に、強いキスを落とした先生は、私を見て微笑んだ。

「そんな中途半端な甘さじゃないだろう?」

「は、はい……。ごめんなさい、先生」

なにも考えられないくらいに、頭がボーっとする。自然に目を閉じると、また先生の唇が重なった──。
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